オンラインレート
外貨取引や投資の世界に「オンラインレート」という正式名称はありません。
主に外国為替市場によるリアルタイムレートのことを「オンラインレート」と呼ばれています。
外貨両替の世界では、オンラインレートが導入されるケースは少ないですが、FXなど為替レートの変動で短期的な利益を目指す投資ではオンラインレートが広く使われています。
金融機関はリアルタイムレートやオンラインレートと、本日の外貨両替レートの2種類を店頭表示しているケースがあります。
為替はどこで取引されているの?
為替を取引する場所はインターバンク市場と対顧客市場の2種類に分類されています。
インターバンク市場は中央銀行、為替ブローカー、証券会社などの大口が利用するもので、銀行などを通して買い手と売り手が直接交渉をして、外貨取引をしています。
対顧客市場は主に外国為替取引所のことを指し、24時間取引されています。
「東京外国為替取引所」とか「日本時間」、「アメリカ時間」と表現することがありますが、東京証券取引所のように拠店を持っているわけではなく、インターネット上での、対応法定通貨(各国のお金)同士の相対取引が行われています。
相対取引とは、買い手と売り手の双方が注文を出し、マッチングした順番から約定をしていく方式です。
外国為替取引所は、FXの影響で市場規模を大幅に拡大させ、個人でもオンラインレートによるリアルタイム取引を身近なものに変えました。
外貨両替にオンラインレートが適用されない理由
オンラインレートはネット上で即時に取引が完了することでリアルタイムレートでの取引が可能になっています。
店頭取引はすでに両替所がストックした外貨で両替を行っています。
両替する都度、外国為替取引所で注文を入れていけば、理論上は店頭や宅配などの外貨両替にオンラインレートを導入することは可能です。
コンピューターやインターネットを活用した取引システムが普及した現代においては、リアルタイムで外貨両替を行うシステム構築はそこまで難しくありません。
しかし、外貨両替は海外旅行などの個人客が中心で、高額な現金を扱う特性から空港では機械ではなく有人窓口での対応が中心です。
もし、オンラインレートを導入したら、「順番待ちをしている間にレートが都合の悪いほうに動いた」といったクレームや、両替後にレートが都合悪く動いたことをキカッケにキャンセルしようとする人が増加します。
無人の両替機械でオンラインレート取引を可能にさせても、もたもたしている客の後ろに並んだ人から文句を言われるなどのトラブルリスクが発生します。
窓口による現物両替が主流の特性から、シンプルかつ平等に外貨両替を行うため、決められた時刻のレートで1日固定する方法を取っています。
当サイトの独自の予想ですが、近い将来は証券会社と金融機関による共同、もしくはフィンテック系企業によって、専用ATMとネット申込を利用してリアルタイムレートで外貨両替できるサービスが登場するのではないかと期待しています。
ネット申込業者が表示する「オンラインレート」
世界最大規模の外貨両替専門業者のトラベレックスでは、公式ページで「オンラインレート」の表記をしています。
しかし、レートが更新されるのは原則1日1回で銀行などの店頭表示レートと仕組みは同じです。
オンラインで確認や宅配、店頭受取の予約ができることから「オンラインレート」と表現しています。
「オンラインレート = リアルタイムレート」ではないことを覚えておきましょう。